小泉総理への手紙 銀行 2002/5/11
不良債権処理について
外国の格付け機関による、日本の国債の格付け引き下げは、デフレや景気低迷が原因とされ
ているようですが、なんとなくバブル崩壊以降、日本の金融が低く見られていることや、不良債
権の問題があるのでしょう。
かつて私は、大手消費者金融の会社に勤め、現場の第一線から本社に行き、数年間在籍し
ましたが、本社には大蔵省(課長代理相当)、日本銀行、長期信用銀行、信託銀行など出身
の監査役や部長もいれば、現場一筋で債権管理を主に携わってきたような叩き上げとがいま
す。その後、全く業種の違う企業で、売掛債権を管理する仕事にしばらく携わったのですが、
そこでは商工ローンや別の消費者金融会社の出身者が債権管理の仕事をしています。
そういう仕事で実績を上げている人の特徴は、いわば猟犬のように、或いはハンターのように
どこまでも獲物を追いつめるような、お金の匂いを嗅ぎつける嗅覚があるような、そういうタ
イプだったように思います。
金融というと、日本人は銀行などにお金を貯蓄するもの、と思っている人が大半ですが、アメ
リカでは証券会社などで運用することが多い。製造業に強いだけでなく、金融の力で、つまり
利益の出そうなものを追い求めて行く感覚が、欧米、英米、それともユダヤ系の特徴なのか、
案外日本人は、それが苦手でNTTドコモのような会社でも海外への投資で損失を出している。
ソニーの出井さんは、日本はリアル製造業で成果を出しすぎたためにバーチャル製造業が伸
びない、というようなことを何年か前に日本経済新聞で言われていましたけど、私はどこか民
族性のようなものが潜んでいるような感じを受けます。日本は、大企業と中小企業で給与や労
働条件の差が激しい国です。上層部は農耕民族的性格を持っていて、荘園領主というか大名
というか、後者は営業重視で、その時の時価を追い求めるような。ところで銀行というのは製
造業ではないわけで、本来、後者のような感覚が求められる。(「みずほ」という名のグループ
で問題があったばかりですが、日本の弱点を突いたような名前のセンスかな、と思います)
不良債権は、貸倒引当金を当てるとか、債権を放棄する、とか売却する、とかして償却をして
行くわけですが、不況の今、新たに不良債権は発生しているはずで、返済できるものは返済し
てもらうことも仕事です。
ここで日本人の中で不良債権処理に向いたような人をもっと銀行に採用してはどうかと思うの
ですが、それはおそらく育ちがよくて大口の融資をとってきて出世して行くような人とは違う
と思います。したがって、今、就職難の実業科の高校生、工業系を中心に、または商業系で、
あくまでも不良債権処理の仕事です、と断り、かつ仕事の成果に応じて有能な人が残るよう
に、最初は契約社員にするとかして、そのような集団を形成する。まだ数年は不良債権処理
にかかるようですから、教育して不良債権処理専門の集団とすれば、貸し出し側も業績を伸ば
す方に専念でき、銀行の融資を受ける側のメリットになり、経済には好影響。高卒でフリーター
をするよりは、世間の常識もつく。(女子行員に高卒はいるようです。消費者金融は借り手が
20歳以上なので、新卒は専門学校以上でした。銀行で大学の工学部は採用しているはずで
す。仕事の種類が同じなのかシステム関連なのかはよくわかりません) 工業化の初期には
製糸場に女工さんを採用していたし、男女雇用機会均等が原則なので、男子高生をパートで
採用してみるのもありなのでは。
ただ、民間企業の人事戦略にそこまで立ち入るのは変ですが、公的資金=税金が投入され
ているわけだし、これで成果が上げられなかったら、人を入れ替えるべきだ、という考えもあっ
ていいでしょう。銀行の役員や管理職なら、退職金を払って引退してもらっても生きて行ける。
一人の給料で、高卒なら3~4人以上雇えるでしょう。
決して銀行の仕事は、若手でできる、というようなことを言ってはいません。もちろん最終的
な審査や決裁には、経験のある人がきっちり当たるわけですが、環境としてたぶん一流大学
出のエリートが多く、同質性というか、そんな環境を活性化することにも意義があり、もともと
いる人も従来以上にがんばってやればいいわけです。
銀行も人件費を引き下げれば、もっと法人税の得られる優良業種になるのでは。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
あとがき:これを書いた2002年5月頃、自分は無職でした。小泉政権は最初、不良債権処理
は全く言葉に出さなかった。これ以降、竹中大臣に銀行の不良債権を半減させるとか、目標
を出し始めた。
外国の格付け機関による、日本の国債の格付け引き下げは、デフレや景気低迷が原因とされ
ているようですが、なんとなくバブル崩壊以降、日本の金融が低く見られていることや、不良債
権の問題があるのでしょう。
かつて私は、大手消費者金融の会社に勤め、現場の第一線から本社に行き、数年間在籍し
ましたが、本社には大蔵省(課長代理相当)、日本銀行、長期信用銀行、信託銀行など出身
の監査役や部長もいれば、現場一筋で債権管理を主に携わってきたような叩き上げとがいま
す。その後、全く業種の違う企業で、売掛債権を管理する仕事にしばらく携わったのですが、
そこでは商工ローンや別の消費者金融会社の出身者が債権管理の仕事をしています。
そういう仕事で実績を上げている人の特徴は、いわば猟犬のように、或いはハンターのように
どこまでも獲物を追いつめるような、お金の匂いを嗅ぎつける嗅覚があるような、そういうタ
イプだったように思います。
金融というと、日本人は銀行などにお金を貯蓄するもの、と思っている人が大半ですが、アメ
リカでは証券会社などで運用することが多い。製造業に強いだけでなく、金融の力で、つまり
利益の出そうなものを追い求めて行く感覚が、欧米、英米、それともユダヤ系の特徴なのか、
案外日本人は、それが苦手でNTTドコモのような会社でも海外への投資で損失を出している。
ソニーの出井さんは、日本はリアル製造業で成果を出しすぎたためにバーチャル製造業が伸
びない、というようなことを何年か前に日本経済新聞で言われていましたけど、私はどこか民
族性のようなものが潜んでいるような感じを受けます。日本は、大企業と中小企業で給与や労
働条件の差が激しい国です。上層部は農耕民族的性格を持っていて、荘園領主というか大名
というか、後者は営業重視で、その時の時価を追い求めるような。ところで銀行というのは製
造業ではないわけで、本来、後者のような感覚が求められる。(「みずほ」という名のグループ
で問題があったばかりですが、日本の弱点を突いたような名前のセンスかな、と思います)
不良債権は、貸倒引当金を当てるとか、債権を放棄する、とか売却する、とかして償却をして
行くわけですが、不況の今、新たに不良債権は発生しているはずで、返済できるものは返済し
てもらうことも仕事です。
ここで日本人の中で不良債権処理に向いたような人をもっと銀行に採用してはどうかと思うの
ですが、それはおそらく育ちがよくて大口の融資をとってきて出世して行くような人とは違う
と思います。したがって、今、就職難の実業科の高校生、工業系を中心に、または商業系で、
あくまでも不良債権処理の仕事です、と断り、かつ仕事の成果に応じて有能な人が残るよう
に、最初は契約社員にするとかして、そのような集団を形成する。まだ数年は不良債権処理
にかかるようですから、教育して不良債権処理専門の集団とすれば、貸し出し側も業績を伸ば
す方に専念でき、銀行の融資を受ける側のメリットになり、経済には好影響。高卒でフリーター
をするよりは、世間の常識もつく。(女子行員に高卒はいるようです。消費者金融は借り手が
20歳以上なので、新卒は専門学校以上でした。銀行で大学の工学部は採用しているはずで
す。仕事の種類が同じなのかシステム関連なのかはよくわかりません) 工業化の初期には
製糸場に女工さんを採用していたし、男女雇用機会均等が原則なので、男子高生をパートで
採用してみるのもありなのでは。
ただ、民間企業の人事戦略にそこまで立ち入るのは変ですが、公的資金=税金が投入され
ているわけだし、これで成果が上げられなかったら、人を入れ替えるべきだ、という考えもあっ
ていいでしょう。銀行の役員や管理職なら、退職金を払って引退してもらっても生きて行ける。
一人の給料で、高卒なら3~4人以上雇えるでしょう。
決して銀行の仕事は、若手でできる、というようなことを言ってはいません。もちろん最終的
な審査や決裁には、経験のある人がきっちり当たるわけですが、環境としてたぶん一流大学
出のエリートが多く、同質性というか、そんな環境を活性化することにも意義があり、もともと
いる人も従来以上にがんばってやればいいわけです。
銀行も人件費を引き下げれば、もっと法人税の得られる優良業種になるのでは。
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あとがき:これを書いた2002年5月頃、自分は無職でした。小泉政権は最初、不良債権処理
は全く言葉に出さなかった。これ以降、竹中大臣に銀行の不良債権を半減させるとか、目標
を出し始めた。
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